Q9 内部温度を測定する際の注意点は何かありますか?

大別すると下記の3点があります。



(1)センサと測定物の熱容量について

温度センサは基本的に測定物から熱をもらい感温部を測定物と同じ温度にして、感温部の温度を表示するので、あまり熱容量が小さいものを測ると、測るという行為自体が誤差要因になってしまう場合があります。
例えば、メスシリンダーの中に液体が入っていてその温度を測る際、細いセンサを入れた場合、中くらいのセンサを入れた場合、太いセンサを入れた場合では様子が変わります。

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上図を見て下さい。左が細いセンサを入れた場合、真ん中が中位のセンサを入れた場合、右が太いセンサを入れた場合です。
太いセンサを入れた場合、細、中のセンサに比べ、圧倒的に測定物の熱を冷ましてしまいます。最終的にセンサは何の温度を測るかというと、その冷めた液体の温度を測りますので結局何を測りたかったのか分からないような状況になってしまいます。
「では何でも細いセンサで測れば良いじゃないか!」という事になるのですが、細いセンサは頑丈さが足りない為に壊れやすかったりします。逆に太いセンサは頑丈なのでほとんど破損することはありません。また、中に入っている熱電対線を太く出来るので、高温でも使う事が出来ます。
適材適所で選んで頂けたらと思います。


(2)挿入長について

内部温度を測る際は挿入長が重要となります。(センサ外径の15~20倍といわれています。)
挿入長が浅いと、センサが上手く測定物から熱をもらえず、かつ放熱の影響が大きくなる為、真に計りたい温度より低く計測されてしまう場合があります。

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上図を見て下さい、左が深く挿入されたセンサ、真ん中がちょっと浅く挿入されたセンサ。右が一番浅く挿入されたセンサになります。センサの感温部は先端についていますので、浅く挿入してしまうと、穴の外で生じている放熱の影響で感温部を冷ましてしまいます。
これが深ければ、放熱している場所と、感温部の位置が離れるので、穴の外で生じている放熱の影響を受けづらくなります。
その放熱影響がほとんど出なくなる深さと言うのが外径の15~20倍の深さになります。


(3)穴との隙間について

穴径との隙間も重要となります。
隙間が大きいとセンサの密着性も悪くなりますし、風も隙間から入ってきますのでセンサの応答速度が遅くなり、測りたい温度より低く計測されてしまう場合があります。

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実際の穴径としては、挿入長をしっかりと取っていれば、大体センサ外径の0.2~0.3mm程度大きめに穴を開けていれば問題なく温度を測定できるかと思われます。センサ外径がφ3ならφ3.3、φ5ならφ5.3程度です。

内部温度センサで計測する際の注意点まとめ

・熱容量の小さいものを太いセンサで測ろうとしていないか?
・挿入長は大丈夫か?(外径の15~20倍)
・センサ挿入穴に過度な隙間が無いか?(外径の+φ0.2~φ0.3程度)