Q12 熱電対の途中に異種金属(銅線)を接続すると誤差の原因になるのはなぜですか?

熱電対は熱接点から基準接点までを熱電対で繋ぐ必要があり、あいだに銅線などの均質な金属を接続し各接点に温度差が生じた場合、温度誤差が生じます。

例えば、熱電対に接点A、Bを設けそれぞれの温度が80℃、20℃だった場合、熱電対は温度差がある接点ごとに温度を測定します。
下記に均質な異種金属が介在した場合同種の熱電対のみで接続した場合を説明します。
(分かり易いように基準接点の温度は0℃とします。)


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銅線など均質な異種金属が介在した場合、接点Aと接点Bの間で起電力が発生しないので、熱接点と接点Aの温度差の「20℃」と接点Bと基準接点の温度差の「20℃」を加算した40℃としか測定されません。
この発生しない起電力が誤差要因となります。



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熱電対のみで接続した場合、あいだに80℃環境・20℃環境の温度差が存在しても100℃と測定されます。
異種金属介在時の誤差要因は、例えば銅製の端子台を用いていたり、銅製のY端子を用いていたりした場合でも原理的には起きますので注意が必要です。
熱電対を繋げる際は、スポット溶接か熱電対製のジョイント部品で繋いでください。